カツレツという名称について
英語のcutlet(tの音は非常に弱く発音されるため、日本人の耳にはカレあるいはカッレッと聞こえる)がカツレツと呼ばれるようになった理由は、促音を小さく書かない旧かな表記法からの誤読であろうと想像される。英語圏で「カレー」を注文したらcutletが出てきたという実話もあるほど本来の発音とはかけ離れた外来語である。歴史的な記録としては、1860年(万延元年)に福澤諭吉が発表した『増訂華英通語』(広東語・英語対訳の単語集にカタカナで読みと訳語を書き加えたもの)に収載された「吉列鶏(フェヲルコルレッ)」が日本で最古のものであると考えられている。ただし、この語には訳語はつけられていない。「吉列」は広東語でカッリッと読み、現在もカツレツの訳語として使われている。また、cutletという単語は単に肉の小片、あるいは各種の食材を混ぜ合わせて成型した料理を指すものであり、決してパン粉の衣をつけて油で揚げるという調理法を意味するものではない。このため諸外国ではオーブンで焼いたり衣をつけずに炒めるなどした肉料理がcutletと呼ばれている場合もある。
update:2009年08月23日
